私が今一番惚れ込んでいるバンド、それが ThousandEyes という日本のメロデスバンドである。 全スラッシュメタル&メロデスファン、いや、世界の全メタルファンにこのバンドの曲を聴いて欲しいと本気で思っている。
先程メロデスバンドと言ったが、本人達も主張している”デスラッシュ”という呼び方が非常にしっくりくる。
北欧メタル特有の冷たくも美しいメロディに泣きのギター、更に攻撃性のあるザクザク感を加えた疾走感と怒りのデスボイスの咆哮はとにかく堪らない。
私は今年発売になった3rdアルバム”Day Of Salvation”からの先行PVをYouTubeで視聴して初めて知った口である。
実は、Burrn!の前田さんがTwitterで上げてくれたのを切っ掛けで知る事が出来た。
ほぼ発売日に早速アマゾった。

DAY OF SALVATION (初回限定盤:CD+DVD)
- アーティスト: THOUSAND EYES
- 出版社/メーカー: BLOODY EMPIRE
- 発売日: 2018/02/21
- メディア: CD
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この初回限定盤、何と12曲もライブ映像が入ったDVDが付いてくる!素晴らしい!!
このアルバムで私は何年振りか分からない程のデカい衝撃を受けた。
こんな素晴らしいメタルバンドがこの日本に存在したのか!!と。
衝撃の具合だけで言ったら、初めてArch Enemyを聴いた時位である。
”この日本に”という言葉が入ると少々語弊が生じるかも知れないから念の為に記しておくが、日本だから、という理由で驚いたと言う訳では無い、このバンドがこの世界に存在してくれている事が純粋に堪らなく嬉しい。
勿論、”この日本に”存在してくれる特別の嬉しさもある。
ライブに行ける機会は、来日待ちの海外アーティストよりは格段上がるだろうし、こうして質の高いバンドが国内で発生し活躍する事はとても意義がある。
とにかく、CDを聴けば聴くほど早く生で彼等を観たくて堪らなくなった私は、早速チケットを取った。
2018年4月6日
いざ渋谷サイクロンへ
ほんの僅かに残された桜の花びらすらも一掃する様な強風が吹き荒ぶ中、初めての渋谷サイクロンを目指す。
地下2階にある、キャパ300人程の小さい会場だ。ステージの高さが1メートル以上ある事が売りらしい。
開場時刻の20分前に到着し、番号順に並ぶ。客層は20代~40代、男女の割合は男8女2くらいか。
並んでいる時から薄々気付いてはいたが、入場してまずビールを一気に流し込み、ステージ前に立って驚いた。
この最新Tシャツの着率の高さ!!www
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前を見て思わず吹き出しそうになる。
超愛されてんな、おい!
これが正しい在り方だと言わんばかりの光景である。
先行物販にも行かずスレイヤーに身を包んだままなのが何だか申し訳無い様な気すらしてくる。ちょっぴりね。
さて、今回はオープニングアクトもある。恥ずかしながら名前も知らないバンドであったが、逆にその分楽しみだった。
何のミスかずっとメガデスのHoly Wars…を聴かされ続け、苛立ちがワクワクに勝ちそうになった頃、the Art of Mankindの登場である。
若いメロデスバンド。右のギターの子がなかなか雰囲気があって巧くて良い。
この子がよくThousandEyesの手伝いをしていているらしい。名はウーミンさん。
MCで言っていたが、ThousandEyesより一か月早く1stアルバムを出しているらしい。
展開の良い曲作りもセンスあると思うし、悪く無い。盛り上げ上手だし、ウーミンさんの関西弁でのMCも面白く、かなり笑わせて貰った。
ベースはワーウィックを使っている所が、同じワーウィック所持者として嬉しい。
ブラストビートに乗る美しいメロディライン、やや高いデスボイス。
まだこれから感は否めないが、私が見る限りでは(結構前方に居たのでごく一部しか観れていないが)、皆ステージ上に終始集中していた。全く飽かす事無く、会場を良い感じに温めてくれた。
これからどうなっていくのか、非常に楽しみである。
さて、再びHoly Wars...を聴かされつつ暫しの待機。
BGMが切れた途端、瞬発的に観衆の歓喜の雄叫びが会場中に響き渡る。
DayOfSalvationへと続くインスト曲、Dawn Of Despairが聴こえる始め、目の前のスクリーンがゆっくり上がる。
いよいよ待ちに待ったThousandEyesのライブが始まった!
勿論、続くは最新アルバムのタイトル曲、Day Of Salvationである!
演奏の音と観衆の声がぶつかり合う。
観たかったモノが今目の前で繰り広げられている。体中の血液が沸騰する。
生で聴いても、いや生で観て猶更、このバンドの凄みを感じる。
迫力、安定感、演奏技術、スピード、そして圧倒する存在感。化け物だ。
当然サビで起こる大合唱が嬉しい。
惹きつけるメロディに禍々しいリフ、欲しい音が全部ここにある。
近いから余す事無く観る事が出来る。
道元さんの迫真のボーカルとフロントマンとしての存在感、Koutaさんの涙で切り裂く様なギターは世界観が感じられて本当に悶絶する程素晴らしい、Fu-minの全力の、機関銃の様な攻撃性がありながらの安定したドラム、安定と言えばAkiraさんも流石である、音の土台に徹しながらメロディもあるベースは芸術だ。いつも天使の様な笑みを湛えているToruさんのギターソロは本当に美しく恍惚とさせられるし、垣間見る攻撃性が堪らない。
全員が実力者であり、素晴らしい技術のバランスで構築されている。
途中、道元さんのマイクの音が若干聴こえ難い場面もあったがすぐに戻った。
このブログ用に写真は一枚だけ撮った。正直言うとずっと興奮していて撮るの忘れていた。
Fu-minさんとToruさんファンの方々申し訳無い。
この画像でKoutaさんのカリスマ性が伝わると思うが、本当に素晴らしい男だ。
観ている内に私の心の中で「一重の王子様」と名が付いた。どうしたって好きになってしまう。
ついついKoutaさんの事ばかりになりそうになるが、このバンドの素晴らしい所は、全員に華がある所だ。全員の個性が光り、ケミストリーがあり、誰一人として入れ替わって欲しく無いと願う。
観ていて仲も良さそうに観えるし(特にKoutaさんとDougenさん)、そういう所も好感が持てる。
この記事の最後にセットリストを記載しておくが、最新の3rdアルバムからはOPを抜かして10曲。他8曲は旧作からである。
実は私はこの日迄に1stと2ndを入手出来ていないでいた。
私の地元ではSlayerやIron Maidenすら置いていない。
欲しいCDはアマゾるしか無いのだが、ThousandEyesは3rdアルバム以外はストリーミングしか無かったのだ。なので、会場で買おうと決めていたのである。
今思えば取り寄せれば良かったのだが・・・
そんな訳で半分近く初耳な訳なのだが、それを耳にする度、「うあーー!!!!何この曲っ?!かっけぇーーー!!!!」となった。そうなると帰ってじっくりCD聴くのが楽しみで仕方が無い。
しかし、道元さんが客先にマイクを向けようとする度に目を逸らした(苦笑)
それはさておき、殆どの曲に一緒に歌える場所を用意してくれている所も良い。しかも難しくない。
「この曲は皆の助けが必要だ。"final reigh"" black rain"だ。皆の力をくれ。」
と道元さんが言って始まったFinal Reignが一番良い例だろう。ライブとは会場の全員が一体となって作り上げるものだという実感と喜びを感じられる最高の瞬間だ。
日本人バンドの良い所はMCで何を言っているのか全部わかる所でもある。
情けない話だが、英語のお勉強が疎かな私には大変嬉しい。
私のお気に入りの曲の一つである”Lost Forever”は実は、道元さんが肝炎で入院中の夜、隣りのジ様を恨みながら歌詞を書いたとの事。
分かる!!超分かるぞ!!!
早い消灯、同じ部屋の者のいびきや屁、神経質なため息。異常に早い朝。近そうで見えない退院の光。若い頃幾度か入院した経験を持つ私にはよくわかる。
私は共感の意を込めて道元さんの歌声に合わせてシャウトした。そこに泣きのギターが絡んで私の心は昇華する。このカタルシス!笑
ずっと凄い盛り上がりで、「アンコールがくるのかと思った」という台詞を2回も頂戴した。本当に楽しい楽しい時間で、それはKoutaさんのお気に入りらしい名曲、Rampage Tyrantで最高潮に。その前にFu-minさんはバテていそうな素振りを見せたりしていたが、そのドラムの音は鋭く力強く一切乱れない。一体あの細い身体のどこにそんなエネルギーが蓄えられているというのか。
一層速く畳み掛けるリズムとリフの雨に私達は我を忘れる事が出来る。
AkiraさんとToruさんが長い髪を大いに揺らしてヘドバンする姿が何か良い。メタル版親子獅子か。
ToruさんとKoutaさんが交互にソロを奏でる。それは美と慟哭のメロディで悶絶せずにはいられない。
この後Devastated Momentへと続く流れはアルバムでの順序と同じだが、これで一応のラスト曲となる。スケール感のあるミドルテンポの曲で、これで締めくくるのは実に美しい。
Astral Skiesなどの、こういった遅めの綺麗な曲を作るのには、今までは躊躇していたそうだ。今回のアルバムを作成するに当たって、ようやくこういう曲が書けるようになったとMCで言っていた。
北欧メロデスには無い、日本らしい凛とした佇まいも感じられ、これが日本人の求めているメロデスの姿である様に感じられ非常に心地よい。
Devastated Momentが終わり、一旦楽屋に戻るメンバー。
当然アンコールの大合唱。ThousandEyesコールと個々の名を叫ぶ。
アンコールは全部で3曲。
1stからの曲、Bloody EmpireとEternal Flame、そしてラストは2ndからOne Thousand Eyesだ。
これはファンサービスの選曲になろう。周囲の目が輝いていたし、堪らなく嬉しいという想いが暴れ具合や大合唱から伝わってくる。
先に述べた様に私は知らない3曲だ。でも何故だろう。この曲最高だな!!という感想と共に、何故か昔から知っていた様な気がして、私も嬉しくなるのが非常に不思議だった。名曲とはそういうモノなのかも知れない。
最後はファンをバックにした撮影会などを行い、興奮の内に幕は下りた。
オープニングアクトを除いても2時間近いライブであったが、充実していた為、非常に短く感じた。興奮状態が抜けない。
客席裏に設けられた物販コーナーに寄り、パーカーとリストバンドを購入。CD売り場は出入り口だったので、フロアを出て2枚購入した後、そのまま帰ろうとしたが、道元さんが物販へ後で寄ると言っていたのを思い出し、一言今日のお礼を伝えられればと思い会場へ引き返す。
すると、スクリーンが降りた向こうのステージ上にKoutaさんが残っているのを発見。
「ありがとうございました。」と声を掛け、頭を下げたら何と近づいて来てくれた。
後片付けの邪魔をしてしまって申し訳ないと思いつつも、その丁寧で優しい対応が嬉しくて感動した。「こちらこそありがとうございました。」といって握手してくれた。「世界中でガンガン売れて下さい」と変な事を言ってしまった。違う・・・。世界で大いに売れる音楽だと確信している事を伝えたかった筈なのに・・・。どうも言葉が下手糞過ぎて自分で嫌になる。
感動に震えていると憧れのBurrn!の前田さんを発見。20年以上ずっと前田さんの文章と人柄が大好きで、また、前田さんが推しているバンドは大半が好みだったので、大変参考にさせて貰った。言わば憧れであり恩人でもある。
それにしても、髭も服もオシャレだし何と言うイケおじっぷりであろう。凄く優しい笑顔で立っておられる。
すっかり舞い上がっていた私は、そのまま厚かましくも声を掛けさせて頂いてしまった。やっぱり言葉が糞で、「ずっと好きでした。」と訳の分からないドン引きの告白をしてしまったwww今思い出しても顔から火が出そうである。地獄の底まで掘った穴に入って、そのまま釜茹でになってしまいたい。
それにも拘わらず、前田さんは優しく微笑んだまま、紳士的に対応して下さった。なんてハートがイケメンなんだ。
その後、道元さんがすぐ近くにいるのを発見したが、恐らく昔からのファンであろう方達と話されていて楽しそうだったので、そのまま会場を後にした。
自販機で飲み物を買おうとしたら手が震えていた。
こんな事はいつ以来だろうか。Slayerのライブの後でさえたまにしかならないのに。
⇚偶然にも腕の上に落ちてきたToruさんのピック。この画像では分からないが、安定したピッキングによる綺麗な削りが出来ている。
何度でも書くが、ThousandEyesは世界で売れて然るべきバンドだ。
こういうバンドがもっと広く大きく活躍出来、もっと裕福に暮らせる時代が早く来て欲しいと切に願う。
あと、大事な事をもう一つ言っておきたい、
メタルが好きならThousandEyesを聴け!!
m(__)m
セトリ(公式Twitter参照)
①Dawn Of Despair~Day of Salvation(3rd)
②Dead Again(3rd)
③Last Rebellion(1st)
④Dread My Brain(3rd)
⑤Astral Skies(3rd)
⑥Final Reign(3rd)
⑦Mirror Knight(2nd)
⑧Death Illusion(3rd)
⑨Dead Sorrow Of ME(2rd)
⑩Endless Nightmare(2rd)
⑪Dead Night,Moonlight(1st)
⑫Lost Forever(3rd)
⑬Cold Blood(3rd)
⑭Rampage Tyrant(3rd)
⑮Devastated Moment(3rd)
・・・Encore・・・
①Bloody Empire(1st)
②Eternal Flame(1st)
③One Thousand Eyes(2nd)