小山市に越して早3年。 ちょっとした趣味ができました。
神社散策です。
目的はご利益では無く、御朱印でも無く、更には神様でも無くwww
彫刻です!!
きっかけは・・・
とか云々、私個人の話をしても仕方ありませんね。
まずは見てみて下さい。
小さな無人の神社でも、隠れた芸術が沢山あるんです。
本日はその中の2つをご紹介します。
大川島神社
その名の通り、小山市の大川島にある小さな小さな神社。
無人です。
こんな感じの神社が、実はなかなか凄い神社であるなんて、現在の誰が想像するだろうってくらい小さい。
上の画像の右にある看板の文字をそのまま書き出すと・・・
「大川島神社本殿
藤原秀郷が平将門討伐の際に創建し、この地一帯の総社としたと伝えられる。江戸時代には総大権現と呼ばれ別当寺が置かれていたが、明治のはじめに分離して大川島神社と改められた。
現在の本殿は宝永六年(一七〇九)の再建であるが、外観を特徴づける豊富な装飾彫刻は、建物の完成後二度にわたって付け加えられたものである。すなわち、胴羽目の透かし彫りが安永三年(一七七四)、その他の丸彫りや透かし彫りが文化五年(一八〇八)から六年にかけて制作されている。彫刻の一部は富田(大平町)の名工・磯部儀兵衛隆顕の作である。
一間社流れ造りの比較的小規模な本殿であるが、精緻な彫刻とともに、近代神社建築の彫刻化の過程を知りうる貴重な遺構である。」
はい、この藤原秀郷さんの名前、この辺りの神社に沢山出てきます。藤原秀郷ゆかりの神社が一体全部で幾つあるのか分かりません。
そして、彫師である磯部儀兵衛隆顕さん。磯部儀兵衛とは磯部家の分家であり・・・
と説明が長くなるし、正直ややこしいし、実は正確には分かってないのでw、そんな立派な彫師さんがいるってだけでここは宜しい事にしといて下さい。隆顕さんは分家初代。
ちょっと近づいてみると・・・
おおッ!
ここでまず目に飛び込むのはここ!
この拝殿の立派な龍です!
拝殿は分家二代目である磯辺義兵衛隆信作らしいです。
素敵!
カッコいい!!
子龍(?)もいる!
思わずそのまま見物へ没頭しそうになるが、その前に神様にご挨拶の、2礼2拍手1礼を忘れずに。日本人たる者、礼儀は重んじたい。
初めましてー。ちょっと見学させて下さーい。写真撮らせて下さーい。
※写真は挨拶を済ませてから撮ってます。
終わったら「有難う御座いました」も忘れずに。
⇑忘れちゃならない。
狛犬さんもなかなか味のある表情
拝殿の横から。
平成8年に、この中の一部の装飾が盗まれた事があったらしい。
平成25年に見付かり、修復され、無事に戻された。
本当に見付かって良かった。
こんな事件、絶対にあってはならない。
そして、肝心の本殿の方なのですが・・・
これが私のスマホで撮って、ギリまともに見える画像。屋根の部分のみ。
この鬼の表情の素晴らしさ、細かい装飾の数々を見て頂きたい所なのですが、これが限界でした。悔しいっ。カメラ買うべきか・・・。
しかし、この一部の写真からも、この本殿が如何に彫刻で埋め尽くされているかお分かり頂けると思う。・・・思いたい。
他は本当に暗すぎて何が何だか分からないので、写真家・若林純さんのサイトを是非見て頂きたい。⇓
全体的に丸みがあり可愛らしくも優しい雰囲気がある。
龍や鬼も迫力がありながら、どことなく温かみを感じ、ユーモラスで大変表情豊かだ。
本殿は基本的に外からあまり見えない造りになっている。基本的に剥き出しになっている事はまず無く、大体が屋根付きの柵状の囲いにすっぽりとに囲まれていて、中には完全にびっちり板張りで見えない神社も少なく無い。
その点、若林純さんはその囲いの中に入ってお写真を撮られているので、大変有難い。

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中里神社
これまた小山市の中里にある中里神社。
先程の大川島神社から南に5キロ弱、車で15分かからない位置にあります。
早速神様にお断りを入れてから見学と撮影をさせて頂きましょう。
いいよー。って声は聞こえませんが。多分大丈夫でしょう。
ここはなんと「おやま百景」に含まれています。
が、やっぱりご覧の通りこじんまりとした佇まい。
今回は読める様に写真が撮れたのでそのまま貼り付けます。
(大川島神社の時はこれすらまともに撮れてなかった・・・。何かあったのかってくらい下手過ぎだったな。)
創建は天暦10年(956)、主祭神は応神天皇の皇子、菟道稚郎子命(うじのわきいらつこ)だそうです。
狛犬さんチェック。
良いですね。特に左(吽形)が好みです。
左が雌扱いされている所が多いですね。たまにお子さんがいて可愛い。
拝殿は新しいのか、瓦屋根のとってもあっさりとした佇まい。
さっそく裏に回って本殿を見てみましょう。
キタコレ!!
凄いです!流石、磯辺義兵衛隆信先生!!
これは浦島太郎ですね。波の躍動感と優しい人物像、そして立体感。
これはなんですかね?⇑看板から察するに養老の滝でしょうか?
これは魚取りですね。⇑この画像が一番装飾具合が判るでしょうか。
しかしホント、この方の彫刻はみんな柔らかで温かみがあって良いですね。
松にとまる鳩が愛くるしい。
先程の画像上部にもありましたが、この唐獅子好き。良い。可愛い。
この写真の向こう側を見て頂けると分かると思うのですが、けっこう隙間が狭い為、これが精いっぱいの撮影でした。
一部しかお見せ出来ないのが残念です。
おまけ
如何でしたでしょうか。
本当に小さな、気にも留めない様な神社に、こんな芸術品が隠されているなんて驚きです。
最初発見した時は、日光東照宮の職人関係の流れで、この辺りは特別、小さな神社でも、この様な素晴らしい彫刻が多いのかも、と考えていました。勿論、そのお陰で素晴らしい職人が多い事は確かの様ですが、どうやら全国にも、このような神社は沢山存在する様です。
塗装がすっかり剥げてしまったものも沢山あります。(それもまた良い味になっている所も多いのですが。)残念ながら酷い亀裂が入っているものや、一部分欠けてしまっている所もあります。
もっともっと沢山の方に関心を持って見て頂き、保存や修復に力を入れて貰え、更には各地の神社自体がもっと賑わったら嬉しいなと思っています。
多く神社に行っていると、不思議と敬いや感謝の気持ちの大切さに気付いてきます。
日本人の基本の精神、大切な「何か」が取り戻せる様な、そんな気がするのです。
皆さまも近所の宝探しをお散歩がてら行って見ては如何でしょうか。
最後まで読んで下さってありがとうございます。
※おまけ。
⇑これは古河市の雀神社(本殿が覗けない仕様でした)の狛犬さん。
とても味のある素敵なお顔で大好きです。